FortiClient VPNを7系にバージョンアップして-20105エラーが発生

6.4系列のFortiClientを使っていましたが、メーカーのサポート終了が近づいているので7系にバージョンアップしました。設定を行ってエラー無く反映しましたが、SSL-VPN接続すると-20105のエラーで進まない状況となりました。

本記事の結論

FortiClientでVPN設定する場合は接続名を31バイト以下とすること。日本語などのマルチバイト文字はUTF-8で管理していると想定するので、3バイトとしてカウントすること。

問題について

経緯

FortiClient 6系を使ってリモートからVPNで接続して、お客様がご利用のネットワークを運用を支援する仕事をしています。FortiClient 6系のサポート終了も近いので、FortiClientを7系にバージョンアップして同じ設定内容を登録しました。

問題の詳細

同じ内容で、エラーもなく登録できましたが、-20105のエラーが出て接続できません。以前のバージョンに戻してVPNを接続すると問題無く接続できます。使っているVPNはSSL-VPNです。

解決策の試行錯誤

類似事象の検索

国内でFortiClient エラー -20105を調べました。

英語サイトのコミュニティ

英語サイトでも20105のエラーコードで調べてみました。記載のあったFortiGate側のログや設定を確認しましたが、有力な情報は見つかりませんでした。

最終解決

継続して調査していたところ、本当に偶然に解決方法が見つかりました。記載内容の趣旨は若干異なりましたが、同じエラーコードでした。可能性を感じて読み進め、試してみたら解決しました! 

FortiClient VPNのVPN接続が90%もしくは91%で失敗する(外部リンクになります)

気になるのは、FortiClient 7.2.3でも「接続名」が長過ぎてエラーが出ないです。私の確認方法が問題なのか、設定が異なるのかわかりません。でも長らく発生していた問題が解決したので感謝です。

問題の再現と解決の確認

まずはSSL-VPNが接続できることを確認しました。IPアドレスや名前は検証のために構成したため実在しないものです。

FortiClientでエラー無くSSL-VPNが接続

次に接続名を11文字にしてみます。

FortiClientで接続名だけ11文字にした場合にエラーが発生

エラーが出ました。接続名を10文字に戻すと接続できます。設定画面でマルチバイトの文字長の判定ができていないようです。

IPsec-VPNでの接続

IPsec-VPNでも接続名は31文字までに制限されているようにエラーが出ます。マルチバイト文字が含まれると接続名の長さ判定が効かないようで、保存できてしまいます。ただし、エラーが出ず接続できました。

IPsec-VPNならばFortiClientで長い接続名でも接続できる

事象はわかりませんが、FortiNetとして接続名は31バイト以下を条件としているため、31文字以下となるよう設定しないと他で不具合に合う可能性が高いです。

Cisco Catalystスイッチへの初期LAN接続に時間がかかる問題
ネットワーク機器のイメージ
PexelsでのPixabayによる写真

最近久しぶりにネットワークトラブルに遭遇したので、対応策をまとめておきます。先日、マルチベンダーで構成しているお客様のネットワークに新しいIP電話機器を接続したところ、エラーで接続できないと申告がありました。パソコンは接続できるのですが、新しい機器だけ接続時にエラーとなり接続ができない状況です。

IP電話機器は固定IPアドレスを使用して、ネットワークの接続性を確認します。現地に立ち会った同僚から聞くと30秒ほどでエラーとなり全く接続できなくなるという話です。IP電話機器を直接接続しているネットワーク機器はCisco Catalyst 1000で数ヶ月前に導入した新しい機器です。

本記事の結論

業界標準であるCisco Catalystでは標準でSTPが動作しています。STPが有効であればリンクアップしてから50秒程はネットワークに接続できない時間を待機する必要があります。

  1. STPを無効にする。
  2. 接続するネットワーク機器はSTPが動作している場合を想定して、50秒以上タイムアウトを延ばす。
  3. 固定IPアドレスではなく、DHCPを有効にする。

原因切り分け

事象詳細

フロアスイッチとして利用しているCisco Catalyst 1000のポートにIP電話機を接続しました。リンクアップした模様ですが、30秒以下でネットワーク接続エラーとして利用できない状況となりました。パソコンを接続してみましたが、ネットワーク接続に問題はありません。

想定原因

ネットワークの設定間違い

VLAN-IDの設定間違い、IPネットワークアドレスの設定間違い、中継トランクの設定間違いが考えられます。IP電話機がエラーで接続できないCisco Catalystのポートに、パソコンを接続した場合はネットワーク接続に問題はありませんでした。

IP電話機側の設定間違い

問題が発生しているCisco Catalystに経由しないようにIP電話機を接続するとネットワークに正常に接続できました。この時点でIP電話機のネットワーク設定に間違いがありません。

起動時の問題

問題が発生した後にCisco Catalystのログを調査しましたが、何も残っていないので原因特定が難しい状況でした。起動してからの詳細をヒアリング指定くと、IP電話機が起動してから30秒以下でネットワーク接続エラーで再試行しない状況がわかりました。

原因の考察

「ネットワーク接続を諦める時間が短くないかな?」というのが最初に私は感じました。IP電話機は固定IPアドレスで設定しているので、リンクアップしてすぐにネットワーク接続を試行できる状況のため、Cisco Catalystの標準設定が影響している可能性を考えました。

結論にも記載していますが、この障害となった直接の要因はCisco Catalystの標準設定はSTPです。STPは有効な場合は、50秒ほどリンクアップしてもデータを転送できない状態があります。DHCPでIPアドレスを割り当てる場合には、STPの50秒よりも長い60秒のタイムアウトがDHCPクライアントにはあるため、DHCPを使っていればSTPが有効であっても問題は起きなかったと考えられます。

検証と確認事項

検証構成

Cisco CatalystのSTP有効時の影響を検証するためのネットワーク

問題が発生したネットワークとほぼ同じ構成とします。コアスイッチのL3にゲートウェイアドレスを持たせ、フロアスイッチにL2スイッチを構成しました。コアスイッチではSTPが既に動作しており安定稼働しています。コアスイッチでSTPを無効にすることはできません。

フロアスイッチのL2スイッチでは、今回追加するネットワークを想定してSTP有効時と無効時で、ゲートウェイアドレスへのPING応答が何秒で返ってくるかの時間を確認します。

一つ前提条件として、コアL3スイッチとフロアL2スイッチの接続はSTPの動作確認時間50秒を経過させ、接続できている状態であるものとします。

検証結果

フロアスイッチでSTPを無効にして検証用PCを接続すると、1秒も必要とせずコアL3スイッチに設定したゲートウェイIPアドレスにPINGの応答が返ってきました。

STPを有効にして検証用PCを接続すると、リンクアップしても50秒ほどゲートウェイIPアドレスからのPING応答が返って来ませんでした。

IP電話機が30秒ほどでネットワーク接続にエラーを返して利用できない問題は、フロアL2スイッチでSTPを無効化することにより解決する見込みです。

対処結果と結論

その後、現地Cisco Catalyst 1000でIP電話機を接続するポートのVLANに対してSTPを無効化したところ、問題無くネットワークに接続できました。そこでCisco Catalystを使う場合の注意事項をまとめておきます。

Cisco Catalyst スイッチは、標準でSTPが有効です。このSTP有効の設定は設定ファイルに明示されていないため、注意が必要です。一般的に安価なノンインテリジェントスイッチングハブではSTPは無効が標準だからです。

Cisco Catalystスイッチは、フロアスイッチとして使う場合はSTPを無効化した方が扱いやすいと考えます。ただし、ループ構成によるブロードキャストストームには別の対策が必要となります。

Windows11 に対応していないPCでWindows11 を動かす

WIndows10のメーカーサポートが2025年10月14日に終了します。次のクライアントWindowsとしてWindows11がメーカーから提供されています。ただし、Windows11を動作させるには、高いPCのハードウェアが必要です。

とは言っても、メーカーでサポートされていないPCでも、一定の条件を満たせば追加の費用を投資しなくてもWindows11を動かすことは可能です。

旧式のPCで無理やり新しいWindows11を動かすため、期待できるほどのパフォーマンスが出ないことがあることはご理解ください。

Windows11のエディションはProのみ試していますが、他のエディションでもインストール要件をクリアできれば利用可能です。

このページに記載している手法を実施したことによる損失や損害、いかなるトラブルにつきましても全て当方では責任を負いません。ご注意の上で実施をお願いします。

Windows11が動作させられない、古いパソコンのイメージ

Windows11を動作させるために必要なスペック

動作させるにはメーカーであるMirosoftの要件に基づき、以下5点が必要です。

  1. 2コア以上のCPU
  2. 4GB以上のRAM
  3. UEFI対応
  4. セキュアブートへの対応
  5. TPM v2.0以上

Windows11の必要要件のうち、最後のTPMが満たせない場合が多いと思います。TPMはハードウェアで実装が必要であるため、非対応のパソコンであれば、買い換えるしか方法はありません。TPMについてはインテルのサイトにわかりやすい説明があります。

一定の条件

必要な条件は、Hyper-VでTPMを含む全てのWindows11に必要なMicrosoftの要件を達成できます。Hyper-Vは仮想環境を個人で試用してみたい!!を見てインストールしてください。

具体的なインストール手順

Windows11のインストーラの準備

マイクロソフトのサイトWindows 11をダウンロードするから、Windows 11 ディスクイメージ(ISO)をダウンロードします。

インストール前の準備

仮想サーバの作成

Hyper-Vマネージャを起動します。

要件を満たさないPCにWindows 11 をインストールする仮想サーバを新規に作る

新規仮想サーバを作ります。

Windows 11 用の仮想サーバを作る段階

「仮想マシンの新規作成ウィザード」というウィンドウが表示されます。「開始する前に」という下の画面は表示されない場合もあります。右下の「次へ」ボタンをクリックして進みます。

Windows 11 用の仮想サーバを作る際に出る「開始する前に」ウィンドウ

次は「名前と場所の指定」です。①名前は識別しやすい名前を入れます。参考までにWindows 11 は必要最小メモリが4GBのため、64bit版しか提供されていないです。仮想マシンの保存場所は今回検証のため、標準の設定のままとします。さて、名前が決まったら右下にある②「次へ」ボタンをクリックして進みます。

Windows 11 用の仮想サーバの名前と場所を指定

次は「世代の指定」になります。Windows 11 を動作させるための要件としてUEFIへの対応が必要です。ここでは下の図にあるように③「第2世代」を選択して④「次へ」ボタンをクリックして進みます。

Windows 11 用の仮想サーバの世代を指定

次は「メモリの割り当て」です。下図⑤のように起動メモリは4GBを指定していますが、Hyper-Vを動作しているホストPC側にメモリに余裕があれば、6GBや8GBを割り当てできます。⑥動的メモリはホストPCで利用できるメモリ量を減らし不安定になるリスクがあるため、チェックを外します。設定が終わったら右下にある「次へ」ボタンをクリックして進みます。

Windows11用の仮想サーバに割り当てるメモリ量を指定

次は「ネットワークの構成」です。標準で設定している「Default Switch」で良いため、特別に変更する必要が無ければ変更しないで右下の「次へ」ボタンをクリックして進みます。

Windows11用の仮想サーバが接続するネットワークを指定

次は「仮想ハードディスクの接続」です。仮想サーバ用のデータをどこにどれだけの容量で利用可能とするかを指定します。⑦標準では新規作成が選択されているはずです。注意したいのは仮想サーバが利用できるディスクのサイズです。標準では⑦に大きいサイズ値が入っています。ホストPCに影響が出ないサイズに変更してください。下図では50GBとしています。指定したら右下の「次へ」ボタンをクリックして進みます。

Windows 11 用の仮想サーバで利用するディスクを指定

次に「インストールオプション」です。インストールする前にTPMの設定が必要です。そのため、下図のように「後でオペレーティングシステムをインストールする」が選択されています。もし他のオプションであれば、「後でオペレーティングシステムをインストールする」に変更して右下の「次へ」ボタンをクリックして進みます。

Windows 11 用のインストールオプションでOSをいつインストールするかを指定

次に「仮想ましんの新規作成ウィザードの完了」です。最後の確認になります。間違いがあれば右下の「前へ」ボタンで戻って修正できます。問題なければ「完了」ボタンをクリックしてウィザードを閉じます。

Windows 11 用の仮想サーバ作成前の最終確認

しばらくすると仮想サーバが出来上がるはずです。

仮想サーバの設定

次の準備は設定を変更します。Hyper-Vマネージャーに戻り、①作成したWindows 11仮想サーバを選択して右クリックしてメニューを表示します。メニュー項目から②「設定」をクリックします。

作成したWindows11仮想サーバの詳細設定を変更するウィンドウを起動

下図のように設定ウィンドウが開きます。インストール用のISOファイルがマウントできるよう③「ハードウェアの追加」で④「SCSIコントローラー」を選択して、⑤「追加」ボタンをクリックします。

Windows 11 用の仮想サーバにSCSIコントローラーを追加

SCSIコントローラを追加できたら、下図⑥左メニューに表示される「SCSIコントローラー」を選択します。⑦「DVDドライブ」を選択して、⑧「追加」ボタンをクリックします。

Windows 11 をインストールする仮想サーバの詳細設定

次に「SCSIコントローラ」の下に、⑨「DVDドライブ」をクリックします。⑩「イメージファイル」を選択して⑪が入力できるようになります。⑪にWindows 11のインストール用ISOファイルを指定します。指定するために⑫「参照」ボタンをクリックしてフォルダを探してISOファイルを選択します。

Windows 11 をインストールする仮想サーバの詳細設定

次に⑬プロセッサを選択します。⑭「仮想プロセッサの数」をWindows11のインストール要件にある2以上に指定します。

Windows 11 用の仮想サーバのCPUコアを変更

次はTPMの有効化です。下図で⑮「セキュリティ」を選択します。⑯「トラステッドプラットフォームモジュールを有効にする」にチェックを入れてTPMを有効にします。

Windows 11 用の仮想サーバでTPMを有効に設定

以上で設定が完了ですので、設定ウィンドウでの右下にある「適用」ボタンをクリックして反映します。

Windows 11 用の仮想サーバの設定で変更した箇所

設定完了したら、右下の「OK」ボタンをクリックして閉じてHyper-Vマネージャーに戻ります。

Windows11のインストール

準備が完了したら、電源を入れます。起動するとすぐに下の画面が表示されます。画面をクリックしてキー入力を受け付けるようにして、キーを押しますとインストーラを起動します。時間が過ぎるとネットワークから起動します。その際には下図赤枠内のリセットボタンを押して再起動します。

Windows 11 用の仮想サーバで電源ONした直後

インストーラが起動したら下図のように画面が変わります。インストール作業を進めましょう。

Windows 11 用の仮想サーバでインストーラが正常に起動した状態

まとめ

WiFiが繋がらない・・・今日突然の出来事

昨日まで普通に接続できていたWiFiや無線LANが突然繋がらなくなった経験は無いでしょうか? 本記事では、特定の端末がWiFiに接続なった問題の切り分けと対処法を簡単にまとめました。一般的な対処法で解決できない問題をまとめたため、再現性はまだ未知数ですが、テレワークが増えて自宅ネットワークをメンテナンスする際に参考となる情報と思って掲載していますので、ポイントだけ拾っています。

WiFiへ繋がらない状態
PexelsPolina Zimmermanによる写真

WiFiが急に繋がらなくなった・・・

WiFiが特定の端末だけ繋がらない

Windowsパソコン、Mac book端末、Android端末、iPad端末など、色々な端末が自宅LANにWiFi経由で一部の端末だけ接続できない症状が急に発症しました。発症しているのは東芝REGZAと私のAndroidスマートフォンです。

Androidは旧式なので、そこまで気にしていないのですが、東芝REGZAでもWiFiに繋がらないのは困るので、解決方法を探ります。子供がYouTubeをテレビで視聴しているので、「早く直して!」という視線が痛いです・・・。仮にもSEとして仕事しているので、早く解決しないとプロ失格になります。

巷で言われる処方は全て試したがWiFiは繋がらない

ブロードバンドルータ、無線アクセスポイントは再起動したりしました。でも結局特定の2台だけWiFiに繋がらない状況は変わらずです。

状況を分析した結果IPアドレスが取れていないことが判明

検討プロセスは省略しますが、WiFi端末はIPアドレスをDHCPで払い出してもらっています。DHCPにしないとWiFiを変更するたびにIPアドレスまで再設定する必要があるのでとても面倒です。

実はDHCPでIPアドレスを取得する際、DHCPサーバがIPアドレスを割り当てできないとAPIPAと言われる169.254で始まるIPアドレスが割り当てられます。写真に撮り損なったのですが、WiFiに繋がらない端末ではAPIPAのIPアドレスが割り当てられている状態でした。

IPアドレスを固定してみたがWiFiに繋がらない

WiFiで無線アクセスポイントへ接続できていることは確認できたので、IPアドレスを固定してみました。結果は接続できませんでした。

WiFiに繋がらない端末の問題と想定

特定の端末2台がWiFiに繋がらない状況は全く変わらない中で、WiFiに接続できている端末もあることから、原因は端末にあると断定しました。

対処法は2つ

WiFiに繋がらない端末の初期化

この対処法は確かに効果があるのはわかりますが、元に戻す手間が大きいので今回は採用しません。企業において次項の対策が難しい場合はこの対策を採る必要があります。

WiFiのSSIDを変更

私が採用した対策はWiFiのSSIDを変更する方法です。WiFiに繋がらない特定の2台の端末でも、他のWiFiには繋がることは確認できていました。

SSIDを変更するため、現在WiFi接続できている端末も全てSSIDを変更しました。結果として、全ての端末がWiFiに接続できるように改善できました。

特定の端末だけWiFiが繋がらない想定する原因

SEとしての勘ですが、WiFiに繋がらない端末ではSSIDのキャッシュ情報に不備が起きていると考えています。理想はキャッシュ情報を削除したいのですが、テレビの設定にはそのような項目ありませんでした。全設定初期化しかないので、今回は自宅ネットワークでは負担が少ない対処療法のSSIDの変更で解決しています。

無線LANを簡単に拡張する

コロナ禍によって、社会人はテレワークが増えて大学生はオンライン学習、小中高校生はGIGAスクールで、自宅のネットワークに接続する端末が増えました。自宅でも今までは一箇所だけ無線アクセスポイントがあれば足りていました。

無線LANに接続できない状態

無線LANをなぜ今更拡張する必要が出て来た背景

自宅ネットワークへの接続が必要な端末が増えたから

でも最近では、無線LANを拡張する必要が出てきました。子供の学習机で端末を使う必要が出てきたのです。想定外の所で無線LANを使おうとしても使えない状態が出てきました。

拡張したいが無線LANの拡張は難しい

無線LANを拡張するためには、新しく無線アクセスポイントを置くだけでは完了しません。新しく設置する無線アクセスポイントを既存のネットワークに接続する必要があります。無線アクセスポイントを無線LANで中継する方法はあまり有効ではありません。無線中継機は、専用の中継用の帯域を割り当てる必要がありますので、2.4GHzまたは5GHzのどちらかが使えなくなります。中継と同じ周波数を無線端末にも使ってしまうと衝突が発生して伝送速度が落ちてしまいます。

そのため一般的に無線アクセスポイントの中継側は有線LANを使います。有線LANを使うにはケーブルを敷設する必要があります。UTPケーブルであれば100mまでですが、自宅に新たにケーブルを敷設することは面倒です。

そこですでに家庭内に張り巡らされているケーブルは無いでしょうか? 以前に一度注目された、電力線通信(略称は PLC で、正式名称は “Power Line Communication” らしいです)が使えないか検討してみます。コンセントであれば各部屋に一つはありますから、コンセントを伝って通信を送れるのであれば、とても効率的に無線アクセスポイントを設置することができるようになります。

1Gbpsが出せるPLCを発見!

以前は速度が出ないため、敬遠していましたが、コロナ禍による急激なネットワーク拡張が必要になりましたので、拡張しやすいPLCを見つけました。

2台入って金額は9千円を超えないので試してみる価値はあります。コンセント形状も家庭用100Vで使えることを確認して早速購入しました。

購入したPLCの箱の外観

中国製で英語表記なのは仕方ないですね。開けてみましょう。

まずは一番気になるコンセントプラグは裏面にあります。

コンセントプラグがあるPLCの裏面

固有情報は見えないようにしていますが、コンセントプラグは通常の家庭用100Vで使えます。説明書は英語なのですが、コンセントに直挿しに近い方が良いです。

PLCのパフォーマンスに関する注意

自宅では、インターネット接続付近のスイッチングHUBに接続できるコンセントと、無線LANを拡張したい部屋にそれぞれ接続しました。

PLCをコンセントに接続した状態

PLCの右下に3つのランプがあり、上のランプが電源ON状態、中央のランプがPLC対向側とペアが組めて通信可能な状態、下のランプがLAN側のリンクアップを示します。

このようにコンセントを占有されるので、延長ケーブルの無いタップが必要です。

注目されていないPLCだが意外と使える

箱にもありますが、300mまでの距離で使えます。自宅インターネット回線は300Mbpsなのですが、PCとPLCをUTPケーブルで直結したら250Mbpsまではダウンロードで速度が出ました。ただ、遅延が100msecを超えるので、家庭用か企業なら無線LANの試験用と割り切って使う必要がありますね。

有線LAN配線を広げるのは面倒だがPLCならネットワーク拡張は簡単

PLCを使って自宅の無線LANを他の部屋に拡張することができました。電源コンセントなら、どこの部屋にも既設でありますから、とてもお手軽にネットワークを広げることができました。

コンセントならどこの部屋にも必ずありますので、ネットワークの拡張前に企業で使うことも想定して、とても使いやすいですし、自宅でも無線APを移動させられますね。

サービスコンセントが無いことだけが唯一の弱点ですが、ネットワークの速度は1Gbps出るため、実用性は高いと思います。費用対効果も高いと思いますので、お勧めできます。

ネットワークに接続できない場合の解決ポイント

無線LANに接続するWi-Fiが主流になり、特に意識しなくてもネットワークが使える便利な時代になりました。逆によくわからないネットワークに繋がらないという問題も出てきています。全てのネットワークが使えない問題を解決することができる訳ではないですが、ある程度定型的な間違いもあります。ここでは、主にインターネットへ接続できないことを、「ネットワークに接続できない」と言います。

ネットワーク接続ができない状態
mohamed HassanによるPixabayからの画像

ここでは、スマートフォンやタブレット、無線LANを使うパソコンがネットワークに繋がらなくなった場合の解決に向けたヒントを提供します。

ネットワークの状態

ネットワークに接続できている状態

普通はWebサイトが閲覧できたり、LINEなどのアプリケーションが使える状態です。Wi-Fiを使っている端末なら扇型のネットワークアイコンが表示されています。ほかには、YouTubeの動画が閲覧できるでも良いですね。

ネットワークに接続できている状態は、普段の使い方ができている状態と言い換えても良いです。

ネットワークに接続できない状態

ネットワークに接続できない状態は、Webサイトが閲覧できなかったり、LINEなどのアプリケーションが使えない状態です。普段の使い方ができない状態と言い換えても良いです。

ネットワークに接続できないだけではないのですが、障害は普段正常にできていたことができなくなる状態のことを言います。

ネットワークに接続できないという状態は、普段できているネットワークに接続してWebサイト見たりすることができないが、スマホやタブレット、パソコンには問題が無くてネットワークに問題がある可能性が高い状態です。

ネットワークに接続できている状態
KaufdexによるPixabayからの画像

ネットワークに接続できない原因

今までネットワークに接続できていた状態が正常であれば、急にネットワークに接続できなくなったのは何かしら原因があります。まずは一番多い原因を確認して、それでも解決しなければネットワークの問題と想定してネットワークに接続できるよう解決を急ぎます。

その前に、スマホやタブレットを再起動して端末側に問題が無いことは事前に確認しておきましょう。

ネットワークに接続しない設定となっていないかを確認

  1. 機内モードになっていないか?
  2. Wi-Fiの自動接続を無効にしていないか?
  3. Wi-Fiが使うハードウェアを無効にしていないか?

1.の「機内モード」は飛行機の離着陸時に妨害電波となり得る無線を含む全ての無線の送出を無効にする機能です。通常は飛行機のマークです。Wi-FiもBluetoothも無線は全て使用できない状態になります。機内モードが有効で、解除を忘れているとネットワークに接続できない状態が続くことになります。

2.の自動接続を無効にしている場合もあります。「自動的に接続する」などの文言で無線LANやWi-Fiで設定が可能です。この自動的に接続するチェックを外しているとWi-Fiに接続できない状態となることがあります。

3.のWi-Fiが使うハードウェアを無効にするというのは、Wi-Fi自体は有効でも、ハードウェアをWindowsなどのOSで使用しないとしていたり、ドライバが動作しない場合は、Wi-Fiが使うハードウェアがOSから使えないため、ハードウェアが無効な状態となります。

上記の3点を全て確認してもネットワークが接続できない場合は、面倒ですが次項移行の対処を一つずつ進めます。

全てのネットワークから切断する

まずは接続しているネットワークからすべて切り離します。自動接続となっているネットワークは自動接続を解除してすべてのネットワークに接続できない状態を作ります。有線LANの場合はネットワークケーブルを抜いてください。

ネットワークに接続していない初期状態に戻す訳です。ただしWi-Fiの認証設定は残しておいて大丈夫です。参考までにWindows10でWi-Fiを無効にするにはタスクバーの検索でncpa.cpl探して実行してください。またはコマンドプロンプトを起動して、ncpa.cplと入力して実行しても表示されます。

下の図のようにネットワーク接続がいくつか表示されます。Wi-Fiの項目を右クリックして、「無効にする」を選ぶとWi-Fiをまとめて無効にできます。

ネットワークの無効化

よくネットワーク接続を見ると、BluetoothとWi-Fiは別ネットワークに分離しています。イーサネットのように有線であればケーブルを抜くだけなのでわかりやすいですが、無線LANをネットワークから切り離すのは、上記のようにネットワーク接続を表示しないとわかりにくいため、ncpa.cplで表示させる方法をお勧めします。

Bluetoothのネットワーク接続を使っている場合は、上の図のように接続されていない状態になっていることを確認します。Bluetoothのテザリング接続についての詳細はbluetoothテザリングを使いこなすをご覧ください。

ネットワークから完全に分離できると、タスクバーの通知領域に下のようにネットワークマークに一時停止マークが付いたアイコンが表示されます。通常Wi-Fiの場合は扇型のアイコンが表示されている箇所です。

ネットワークへの接続ができていない状態

この状態になれば準備完了です。

1つのネットワークだけに接続する

Wi-Fiでも、有線LANでも、Bluetoothテザリングでも良いので、一つだけネットワークに繋ぎます。この手順でネットワークに接続できるかを確認します。

一つだけネットワークに接続してもインターネットに接続できない場合は次項を一つずつ確認します。

ネットワーク固有で考えられる問題

DHCPを使って自動で接続できるネットワークか?

Wi-Fiを接続するためには、ほとんど自動でネットワークへの接続ができるDHCPを使っています。DHCPはDynamic Host Configuration Protocolの略で、IPアドレスなどのネットワークへ接続する時に必要になる情報を自動で配布する仕組みです。

接続しようとしているネットワークがセキュリティを向上するために、DHCPを意図的に無効にしている場合があります。DHCPが有効でネットワークへの接続に条件が揃っていてもネットワークに接続できない場合は、ネットワーク管理者へ相談して解決してもらいましょう。

ネットワークへ接続するには認証が必要か?

セキュリティレベルが高いネットワークの場合には、ネットワークへ接続するために認証が必要な場合があります。認証の種類には①MACアドレス認証と②IEEE802.1X認証(.1x認証とか略すことも有ります)のように認証が必要な場合があります。

MACアドレス認証は、ネットワークに接続するスマホやタブレットのMACアドレスに対して、ネットワーク管理者の事前に許可が必要な方式です。最近のスマホやタブレットではMACアドレスをランダムに変更する機能がありますので、MACアドレスを固定化してネットワークに接続するMACアドレスを管理者に伝えておく必要があります。

IEEE802.1x認証は、ネットワーク管理者が許可したクライアント証明書をインストールしたスマホやタブレットだけがネットワークに接続できる方式です。

必ず接続できるネットワークを残しておくと安心

どうしてもネットワークに接続できない場合には、慌てずに接続できるネットワークに接続して落ち着きましょう。例えば、スマホのテザリングでも良いと思います。このサイトには、WiFiで接続できなくても、Bluetoothテザリングで接続する方法を紹介しています。詳細はbluetoothテザリングを使いこなすをご覧ください。

bluetoothテザリングでも何でも良いので、ネットワークに接続できると急ぎの仕事も片付けられるので、一安心です。その後、このページに記載したポイントを見てネットワークに接続できない原因を特定し解決してください。ほとんどがこのページで紹介したケースで解決できるはずです。

少ないながらも機器故障の可能性

最後に、ごく稀にハードウェアの故障によってネットワークに接続できないことがあります。あまり多い事例ではありませんが、このページの対処でもネットワーク

Windows10のライセンスエラーが出た場合の解決法

最近GIGAスクールの関連でパソコンをひさびさに触っています。試験機だったので、トラブル満載でした・・・。今月記事が全く投稿できていなかったのはGIGAスクール関連の業務のためです・・・。その試験機のトラブルの中でも一番困ったのが、プロダクトキーを登録していていもライセンス認証がエラーになるというトラブルです。

Windows10のライセンス認証エラーで困った状態

今回は「Windows10のプロダクトキーはどこにある?」が気になったのでまとめてみます。パソコンに入っているWindows10は1か月くらいライセンス認証しなくても使えたのですが、プロダクトキーが登録されていなかったので、ライセンス認証エラーが出てびっくりしました。

さて、Windows10で試しただけなので、Windows8などはわかりませんが、少しまとめておきたいと思います。

プロダクトキーって何?

Microsoftが提供しているWindowsが偽物のコピーではなく正規品であることを証明するためのもので、購入したWindowsに割り当てている識別するためのカギです。

Microsoftはプロダクトキーとハードウェアの情報とセットで管理しているので、組み合わせが一致しないとライセンス認証でエラーとなります。でも、正規のプロダクトキーを登録してもライセンス認証でエラーが出ることがありました。回避方法を一つ提示できたので、まとめておきたいと思います。

ライセンス認証がエラーとなる原因と解決

原因

普通に使っていても、たまにライセンス認証エラーとなることがありました。調べてみると、正規のプロダクトキーを登録しても1か月ほど経過するとライセンス認証エラーとなる場合があり、手動登録しないと進まないことがありました。1か月の時限爆弾ってかなり悪質だと思いますけどね。改善してほしいです。

解決方法

原因はプロダクトキーの登録状態が、正しくWindows10のシステムに認識されていないことがあるようです。解決方法は設定から手動で登録すると解決しました。

プロダクトキーを表示して再登録

プロダクトキーを表示できる条件

ローカルアカウントでWindowsを起動した場合のみのようです。Microsoftアカウントでログインした場合は表示することができませんでした。Microsoftへ問い合わせて聞いてくださいという対応になります。どうやって区別するかをまとめます。

ライセンス認証の画面はスタートメニューで設定をクリックします。下の図のように、①スタートメニューをクリックして、②歯車の設定アイコンをクリックします。

Windows10のスタートメニュー

次に、設定のウィンドウが開きます。下の図のように、③更新とセキュリティをクリックします。

パソコンWindows10の設定画面

左メニューの下から4つ目に「ライセンス認証」の項目があるのでクリックします。

Windows10にプロダクトキーが保存されない条件

マイクロソフトアカウントで登録している場合のWindowsライセンス認証の状態は下図のようになります。

Windows10のライセンスがMicrosoftアカウントに関連している状態

上の赤枠のように「WindowsはMicrosoftアカウントにリンクされたデジタルライセンスによってライセンス認証されています。」と表示されています。この「Microsoftアカウントにリンクされた」状態ではPCにプロダクトキーが保存されません

Windows10にプロダクトキーが保存される条件

それでは、Windows10にプロダクトキーが保存される条件は、初期設定時にMicrosoftアカウントを使わないでローカルアカウントを作成した場合です。具体的には下の図のようにライセンス認証の文言が違います。

PCにプロダクトキーが保存されるライセンス認証の文言

上の赤枠内のように文言が変わります。「Windowsはデジタルライセンスによってライセンス認証されています。」と表現されています。単純なデジタルライセンス(つまりプロダクトキー)によってライセンス認証がなされているのです。

プロダクトキーを表示

コマンドプロンプトを開きます。wmicコマンドで以下のように入力します。見せると問題があるので、白抜きにしていますが、実際には各白抜きの部分には5桁の大文字英二と数字の組み合わせが入ります。

Windows10に登録しているプロダクトキーを表示するコマンド

プロダクトキーを再登録

ライセンス認証の画面にある、プロダクトキーの変更をクリックしてコマンドで表示されたプロダクトキーを再登録してしました。これで私の場合は解決しました。Microsoftアカウントの場合はMicrosoftへ問い合わせする必要があると思います。

Windows10にプロダクトキーを再登録
CentOSの旧バージョンをインストールしたい!

今回は、SEらしいテーマをあげてみました。古いCentOSを使う必要が出てきた場合にどこから手に入れたら良いかをまとめます。探してみるとCentOS6はどこからもダウンロードできないように見えるのですが、調べてみると見つかりました。

SEやっていると古いOSを使ったシステムで新しいOSへ移行するために検証環境が必要となることがあります。

インストール用ISOファイルが取得できれば、このサイトで紹介しているHyper-Vで検証環境が出来上がります。

CentOSの旧バージョンをダウンロードする

CentOS 6 の最終バージョンのインストール用ISOを探す

旧バージョンのCentOSでよく使われているのは5.5や6系が多いと思います。でもCentOSの公式サイトではCentOS6のダウンロード先を紹介していません。CentOSのダウンロードサイトを辿って、CentOS6の最終バージョン6.10のフォルダにはreadmeファイルだけがあり、開くと下のように表示されます。

CentOS6の最新版を探して公式サイトから辿った結果

上のように「使うべきではない」と冷たいメッセージだけが表示されます。

このままではCentOS6の最終バージョンが取得できません。でも、よく見るとCentOS 2系からディレクトリはあります。そこで、一つ前のCentOS5を探してみます。

CentOS 5 の最終バージョンのインストール用ISOを探す

CentOSの配布サイトでCentOS5の最終バージョンを探してみます。readmeファイルだけがありますが、それを開いてみます。

CentOS5の最新版を探して公式サイトから辿った結果

CentOS6の時とは違って、CentOS5のreadmeでは配布サイトを紹介していますね。早速http://vault.centos.org/5.11/を開いてみます。

CentOS 5 の最終バージョンの配布一覧

CentOS 5.11 用のファイルが見つかりました。isosのディレクトリを辿るとISOファイルをダウンロードできます。

CentOS 6 の最終バージョンのインストール用ISOをもう一度探す

CentOS 5.11 が、http://vault.centos.org/5.11/のサイトからダウンロードできることがわかったので、上の階層のhttp://vault.centos.org/を表示してみます。CentOS 2 から 最新版までのバージョン毎のディレクトリがありました。

早速CentOS 6.10のフォルダを下りていきます。

CentOS 6 の最終バージョンの配布一覧

上の図のように、インストール用ISOファイルを見つけることができました。これでインストールして検証環境を作ることができます。

まとめ

CentOSのインストーラはhttp://vault.centos.org/から全バージョン取得できそうです。CentOS 6 だけリンクがreadmeファイルに書いていないのは少し不親切ですね。

Hyper-VでCentOSをインストールする方法は、CentOSのインストールを最短でにまとめていますので、参考にしてください。

Windows10 の検証環境を簡単に作りたい

Windows10のHomeやEducationなど、いろいろなOSを試してみたい場合があります。今使っているWindows10を壊したくない場合など、試せる環境を用意するのは意外と大変です。

Windows 10 検証環境のイメージ
Windows 10の検証環境のイメージ

ここでは本サイトで紹介した中から、Windows10の検証環境を簡単に作る方法を紹介したいと思います。インターネットへの接続は必要ですが、プロダクトキーが無くても30日は猶予があります。その間に検証してしまえば大丈夫です。30日以上もかかる検証は少ないと重ますので、この方法ならライセンス購入などの追加費用が不要です。

Windows 10 をインストールする準備

Windows 10 検証用に想定している環境

Windows 10をインストールするにはパソコンなどのハードウェアが必要です。でも検証環境なので、もっと簡単に用意したいので、ここではHyper-Vを利用します。

Hyper-VはWindows10 Professional以上のエディションであれば無償で利用可能です。詳細は仮想環境を個人で試用してみたい!!をご覧ください。

Hyper-VはOSを個別にインストールする手間は必要ですが、試験環境をHyper-Vの領域だけに制限できるので、影響が外部に及ぼないので、検証には使いやすいです。違うエディションなどを試すこともできます。

Windows10のインストーラの準備

マイクロソフトンのWindwos10のダウンロードページからツールをダウンロードします。

Windows 10 ダウンロードツールの取得

上の図のように、「ツールを今すぐダウンロード」のリンクをクリックしてMediaCreationTool.exeをダウンロードします。ファイル名はバージョンごとに若干違います。

Microsoftアカウントの準備

通常Windows10をインストールする際にプロダクトキーが必要です。プロダクトキーがない場合であっても、Microsoftアカウントを持っていて、インターネットへ接続できる環境があれば、Windows10を検証用にインストールすることができます。

Microsoftアカウントを作るにはMicrosoftの公式ページにアクセスしてアカウントを作ります。

Windows10を検証環境を構築

Windows 10 インストール用ISOイメージを作成

ダウンロードしたMediaCreationTool.exeを実行します。

Windows10インストーラを作成するための準備

準備が始まりますので、しばらく待ちます。

Windows10インストーラを作成するためのライセンス条項

ライセンス条項です。同意しないと進めないんので、右下の「同意する」をクリックします。また準備に入りますので、待ちます。

Windows10インストーラに依頼する処理を選択

上の図のように操作を選ぶ必要があります。今回Hyper-Vの仮想サーバにインストールしますので、下の「別のPCのインストールメディアを作成する」を選んで、「次へ」をクリックします。

Wndows10インストーラの対象を選択

上の図のように、言語とアーキテクチャとエディションの選択になります。まずは赤丸のチェックを外して、項目を変更できるようにします。言語やエディション、アーキテクチャを選択して「次へ」ボタンをクリックします。

Windows10のメディアを選択

仮想サーバにインストールしますので、ISOファイルを選択して「次へ」ボタンをクリックします。保存場所とファイル名を指定するダイアログが表示されるので、指定します。

Windows10のダウンロード中

後は時間がかかりますが、Windows10のISOイメージをダウンロードできます。ファイル名はWindows10のバージョンを入れておいた方がわかりやすいと思います。

Windws10のダウンロード完了

上記のように、ダウンロードが完了すると終了の画面が表示されます。「完了」ボタンをクリックして終了します。

以前のバージョンのWindows10が必要な場合

ISOイメージをメディアに書き出せるrufusを使います。rufusの日本語サイトからダウンロードできます。インストール不要の実行ファイルをダウンロードできます。

rufusでWindows10をダウンロードする手順

rufusを実行すると上の図のようにウィンドウが開きます。赤枠にある下や鵜印をクリックして、「選択」と「ダウンロード」が表示されるので、「ダウンロード」を選択します。

Windows10をダウンロードする操作

上の図の赤枠のように「ダウンロード」にかわったため、「ダウンロード」ボタンをクリックします。

ダウンロードするWindowsを選択

上の図のように、ダウンロードするWindowsを選択します。①Windwos10かWindows8を選択できます。ここではWindows10のまま変更しないで、②「続ける」ボタンをクリックします。

Windows10でリリースされたバージョンを選択

上の図のようにリリースを選択できます。赤枠をクリックすると以前のバージョンを選択できます。左下の「続ける」ボタンをクリックします。

Windows10のエディションを選択

上の図のように、最後はエディションを選択します。赤枠の中をクリックするとHome/ProかEducationを選択できます。エディションが決まったら「続ける」ボタンをクリックします。

Windows10の言語を指定

上の図のように、赤枠内で言語を指定します。言語指定が終わったら、左下の「続ける」ボタンをクリックします。

Windows10のアーキテクチャを指定

最後のアーキテクチャを指定します。上の図の赤枠をクリックすると32ビットか64ビットを指定できます。アーキテクチャを指定後、左下の「ダウンロード」ボタンをクリックしてWindows10インストーラをダウンロードします。

Windows 10 検証用の仮想サーバを構築

Hyper-Vで仮想サーバを作ります。

Windows10 検証用の仮想マシンを作成

上の図のように、Hyper-Vサーバを右クリックして、「新規」のサブメニューから「仮想マシン」をクリックします。

Windows 10 検証環境をHyper-Vに構築する前に

上の図は、「今後、このメッセージを表示しない」にチェックを入れていると表示されない場合があります。

仮想サーバの名前と場所を指定

上の図のように、仮想サーバの名前とデータの置き場所を①~③で指定します。名前だけはWindows10 Homeなどのわかりやすい名前にします。指定が終わったら、④「次へ」ボタンをクリックします。

仮想サーバ用の世代を指定

上の図のように、仮想マシンの世代は第1世代が使いやすいので、第1世代とします。

Windwos 10 検証用の仮想サーバのメモリ割り当て

上の図のように、メモリの指定です。①の起動メモリは最低4GB(4096MB)を割り当てます。可能なら8GB(8192MB)割り当てた方が安定して動作します。8GB割り当てる場合はホスト側が16GB以上メモリを搭載していないと不安定になるので、注意が必要です。②動的メモリのチェックは外しておきます。

メモリの設定が終わったら、③「次へ」ボタンをクリックして進みます。

Windows 10 検証用のネットワーク構成

次は上の図のように、ネットワークの設定です。ネットワークにはつながないとプロダクトIDが必須となりますので、注意が必要です。①「接続」は「Default Switch」にします。熟知している人なら他のネットワークでもインターネットにつながるなら大丈夫です。

Windows 10 検証用のディスク構成

次は上の図のように、仮想マシンに割り当てるディスクを指定します。①127GBは多いので、起動やシステムの設定を確認する程度なら60~80GB位にしておきます。検証用途でディスクが大量に必要なら必要な容量を指定します。

Windows 10 検証用のOSインストールタイミングを指定

次は上の図のように、インストールオプションです。①「後でOSをインストールする」を選び、②「次へ」ボタンをクリックして進めます。

次に指定した内容の確認画面が表示されます。問題なければ完了ボタンをクリックして仮想マシン構築ウィザードを終了します。

Windows 10 検証用仮想サーバの設定

次に微調整をします。

Windows10検証環境の設定

上の図のように、仮想サーバを選択して、右クリックで表示されるメニューから設定を選びます。

Windows 10 検証用仮想サーバのCPU設定

Windows10 検証用のCPU設定

表示された設定ウィンドウで、上の図のように、①プロセッサを選択して②仮想プロセッサ数を初期の1から2に増やします。

Windows10 検証用のメディア設定

次に上の図のように、DVDドライブを選択してダウンロードしたWindows10インストーラのISOファイルを指定します。

設定変更したところは太字になります。プロセッサとDVDドライブが太字になっていることを確認してOKボタンをクリックして設定を完了します。

Windows 10 を仮想サーバにインストール

ここまで準備できたら、いよいよHyper-Vの仮想サーバにWindows10をインストールします。仮想サーバの電源をONにしてみます。

Windows10検証用の仮想サーバのコンソールに接続

上の図のように、仮想サーバを右クリックして、接続メニューをクリックします。しばらくすると仮想サーバのコンソール用のウィンドウが開きます。

Windows10検証用の仮想サーバを起動

上の図のようにコンソールウィンドウが開きます。中央の赤枠に起動ボタンがありますので、クリックして起動します。

Windows10検証用インストーラの起動成功

上記のように、Windowsのブートマネージャが起動すれば成功です。上下キーで64bitか32bitを選びます。白色背景が選択されていますので、64bit版が選択されています。決定したらEnterキーを入力してインストーラを起動します。

Windows10検証用の仮想サーバでインストーラが正常に起動

上の図のように、Windows10のインストーラの初期画面が表示されれば成功です。後は通常のWindows10のインストールを進めていきます。

Windows10のプロダクトキー入力のスキップ

Windows10のライセンス認証画面

上の図のように、インストールを進めていくとプロダクトキーの入力を要求する画面で中央下にある「プロダクトーキーがありません」をクリックするとスキップできます。後は通常インストールを進めていくことができます。

Microsoftアカウントの入力

Windows10をプロダクトキー無しでインストールしていくとアカウント入力画面で止まります。

Windows10検証用で利用するためのマイクロソフトアカウント入力

上の図の画面でMicrosoftアカウントの入力が必須となります。さらにインターネットに接続できないと進まないので注意が必要です。

ここのポイントがクリアできたら、Windows10を検証用にインストールできます。ただ検証期間は30日ですので、注意が必要です。WIndows Serverの評価版なら180日検証期間があります。Windows Serverの評価版のインストールについてはWindows Server検証環境がすぐに欲しいを参照してください。

まとめ

インターネットへの接続は必須ですが、Windows10を検証用に構築することができます。一つ残念なのは、検証期間が30日と短いことです。3か月くらいあるともう少しいろいろ試せるのですけど仕方無いですね。

Windows Server検証環境がすぐに欲しい!

社内システムを管理していると、Windows Serverの評価版を使って動作を確認したり、開発環境を作りたい状況が良くあります。

システムエンジニア(SE)であればお客様の要望をどのように実現するかを評価するためにWindows Serverの評価版を使いという状況があることでしょう。

ハードウェアを用意する手間をかけず、費用もかけないでWindows Server 評価版を導入する方法を説明したいと思います。

Windows10の評価環境の構築はWindows10 の検証環境を簡単に作りたいを参照してください。

Hyper-Vを使った仮想サーバのイメージ
OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像

Windows Server 2019 評価版を使う

Windows Server 2019 評価版はMicrosoftが全機能を評価できるように提供しています。利用可能期間はインストールから180日です。かなり長いですね。

この長さがあればいろいろな機能を評価したり、ハードウェアとの相性を確認することができます。

Windows Server 2019 評価版を入手

Windows Server 2019 評価版は Windows Server 無料試用版(マイクロソフトのサイト)からダウンロードできます。

Windows Server 評価版ダウンロードサイト

ここではオンプレサーバの機能を評価するためにクラウドではなくオンプレミスで構築することを想定しますので、右側の「無料仕様版をダウンロード」をクリックします。

Windows Server 評価版のダウンロード形式の選択

今回はオンプレミスのHyper-VサーバにWindows Server 評価版をインストールしますので、ISOファイルで取得します。ダウンロードするには氏名などの情報が必要です。その後で言語を選びます。

Windows Server 評価版のダウンロードを開始した状態

言語を選ぶと、Chromeでは上の図のようにダウンロードを開始します。ダウンロードしない場合は「ダウンロード」ボタンをクリックしてファイルをダウンロードします。サイズが大きいので時間がかかります。

Windows Server 評価版を仮想環境で立てるのが楽

Windows Server 評価版のインストールISOイメージは取得できました。どこでこの評価版を構築するかになりますが、昨今であればVMWareかHyper-Vの仮想環境で構築するのが一番楽で速いです。

VMWareは個人以外は有償なので、Hyper-Vで構築することをお勧めします。Hyper-VであればWindowsのProfessionalエディション以上で無償で利用可能です。

Windows Server 評価版をHyper-Vで作る

個人でも簡単にHyper-Vを構築できる方法は仮想環境を個人で試用してみたいにまとめてあります。Windows10 ProfessionalをインストールしているパソコンにHyper-Vを構築するのが一番簡単に仮想環境を立ち上げることができます。

Windows Server 検証用の仮想マシンを作成

上の図のように、Hyper-Vマネージャをスタートメニューから起動した後、Hyper-Vのサーバで右クリックして、仮想マシンの作成を開始します。

Windows Server検証環境をHyper-Vに構築する前に

上の図のような、「開始する前に」の画面は表示されないかもしれませんが、仮想マシンの新規作成ウィザードのウィンドウが表示されます。下にある「次へ」ボタンをクリックします。

仮想サーバの名前と場所を指定

上の図のように、新規で作成する仮想サーバの名前と場所を指定するウィンドウに変わります。

①仮想マシンの名前を入れます。ここでは「Windows Server 2019」と入れておきます。②仮想マシンを別の場所に保存して、バックアップリストアを容易にするため、仮想マシン名のサブフォルダを作るため、チェックを入れます。

③フォルダ名の最後に仮想マシン名と同じサブフォルダを作っておきます。設定状態は以下になります。

Windows Server 検証用の名前と場所の指定

上の図のように、仮想サーバの名前と保管フォルダに仮想サーバの名前を追加しています。J:\Hyperは私のパソコンでの環境ですので、試す場合には違う値になります。

仮想サーバ用の世代を指定

上の図のように、仮想サーバの世代を指定するウィンドウに変わります。標準の第1世代で動作しますので、変更せず下の「次へ」ボタンをクリックします。

Windwos Server 評価版用の仮想サーバのメモリ割り当て

次に仮想サーバに割り当てるメモリを設定する画面です。①割り当てるメモリ容量を指定します。デスクトップで使うので、マイクロソフトのサイトにあるWindows Server 2019のシステム要件から、2GB(MB単位なので数値としては2048)を指定します。

②動的メモリのチェックを外します。ホスト側のメモリを使われるので、ホストOSが不安定になります。③で次へ進みます。

Windows Server 検証用のネットワーク構成

ネットワーク構成の画面になります。上の図の①にはDefault Switchがありますので、それを選択します。ホストPCがブロードバンドルータのようになるネットワーク構成で、外部から直接仮想サーバには接続できません。

設定できたら②の「次へ」をクリックして進めます。

Windows Server 検証機用のディスク構成

上の図のように、仮想ハードディスクの構成画面に進みます。マイクロソフトのサイトにあるWindows Server 2019のシステム要件から、32GBが最低要件ですが、空きがあるなら60GB以上は用意しておくといろいろな検証が可能です。

今回は新規インストールとしますので、①ディスクの容量を指定したら、②「次へ」で進みます。

Windows Server 検証用のOSインストールタイミングを指定

上の図のように、OSのインストールの時期を指定します。後でインストールするので、①「後で…」を選択して、②「次へ」で進めます。次は最終確認画面ですので、「完了」クリックでも大丈夫です。

Windows Server 評価版のインストールISOを仮想サーバに接続

Hyper-Vマネージャーを開き仮想マシンWindows Server 2019を選択して右クリックしてメニューを表示させます。

Windows Server 検証用のHyper-V設定

上の図の中で、「設定」を選択します。

Windows Server 検証用のコア数を変更

CPUを2コアに変更して右下のOKボタンをクリックします。次に先ほどダウンロードしたWindows Server 評価案のISOイメージをDVDドライブにマウントします。

Windows Server 検証用のインストールメディアの設定

上の図のように左メニューでDVDドライブの選択して、右側の赤枠にあるイメージファイルを指定します。参照ボタンが有効になりますので、ダウンロードしたWindows Server 評価版のISOイメージを選択します。

その後右したのOKボタンを押して設定を反映して閉じます。

Windows Server 評価版をHyper-Vでインストール

Hyper-Vの準備ができたら、Windows Server評価版の仮想マシンを作ってインストールします。他に仮想マシンを作ったことがあるなら同じ手順でできます。簡単に手順を説明します。

Windows Server 表看板のコンソールへ接続

上の図のように、仮想マシン名で、右クリックしてメニューの中から「接続」を選択します。

Windows Server 評価版のコンソール画面

上の図のようにコンソール画面が表示されます。「起動」ボタンをクリックして電源を入れます。

Windows Server 評価版の画面

上の図のように、Windows Server 評価版のインストール画面が表示されました。あとは通常のWindows Server インストールと同じです。