今回は人手不足なのにリストラという相反するニュースについて気になったので考えてみたいと思います。
そもそも、日本の正社員は定年の60歳まで雇用する終身雇用が主流であったことは周知の事実です。派遣社員の増加で終身雇用はすでに崩壊していると思いますが、1990年以降バブルと呼ばれた景気が崩壊してから本格的に終身雇用も崩壊していったと考えられます。
さて、過去の話は参考程度にして、今後の未来を考えてみたいと思います。最近はネットサービスの拡散から、ビジネスの変化が飛躍的に早くなっています。でも、日本国内では仕事のやり方はあまり変わっていないように見えます。社内打ち合わせでも紙資料が必要だったり、役所への申請には未だに紙と印鑑が必要です。さらにSEを生業としている私から見ると、「この人PCも触れないし、この会社でどんなスキルを提供して生きているのかな…」と他人事ながら心配になる人もいます。さらにGAFA等の海外勢の勢いは脅威で、我々SEは対応できていないと感じます。


目次
人手不足を感じる時はどんな時か?
実際に仕事をしていると、お客様の要求が高度化していることがを直接感じます。なぜなのでしょうか? 考えてみたのですが同じサービスや同じものに人は満足感を得にくくなります。そのため、もっと良いもの、もっと安いものを求めるのではないでしょうか。
例えば、ホテルのレストランでおいしい食事をしたとします。最初は感動するでしょう。では2回目に来店すると、以前の記憶があり、おいしいのは当たり前となるので、驚きはなくなり、おいしさが当然の意識となります。物を買うのでも一緒です。以前購入した物と同じものを同じ値段で買うのは躊躇します。以前より安く買いたいと思うようになるのも、食事の場合と同じです。
逆にサービスを提供する側から考えます。お客様は同じ物では満足しなくなりますので、常に良いと思えるものを提供する必要があるのです。良いと感じるのは具体的に以下を実現することです。
- 新製品を出す
- 質、量は変えずに値段を安くする
- 値段、量は変えずに質を上げる
- 値段、質は変えずに量を増やす
- 短時間で提供する
1は難しく、2~4は日本ではすでに極限まで実施済みですので、5のようにスピードを上げる方向に向かいます。そうすると今までの人でややり方では追いつかなくなり、人手を増やして乗り切るのが短期的な解決策となるのです。
従業員の動きはどうか?
多くの従業員は上司から5を特に言われていると思います。具体的には「スピード重視」「生産性」「業務改善」が5の「短時間で提供する」につながります。実は5が実現できると原価が下がるので、値段を下げることができて2と4が実現できることになります。1と3は企業の開発部門や企画部門が実施しているので、営業やお客様のサポート部門、経理など大多数の部門では5を実施することになります。
では「スピード重視」「生産性」「業務改善」を言われる従業員はというと、仕事上の指示のため努力はしますが、成果が出にくくなってます。そのため業務を変えず人手が増えないなら短期で仕上げるために残業が多くなります。
業務のやり方を変えると効果がありますが、短時間に業務のやり方を変えることは難しいです。業務のやり方を変えてもすでに効果がなく、さらに業務のやり方を変えるという悪循環に入ります。日本の業務のやり方を変えるのは時間がかかるため、難しいと思います。
個人のスキルアップは生産性を上げられるか?
残念ながら直接的な効果は低いように思います。業務のやり方を早く変えられないと時代の変化に追いつかないのではないでしょうか。大きな組織ほど業務のやり方を変えるのは難しいように思います。
ただ、個人のスキルアップであれば時代が必要とするスキルの中から一つをマスターすると転職などで有利になると思います。今は年齢関係なく時代が求めるスキルを持っているならば職はあると思います。
結局組織がお荷物になるのであればリストラは避けられないので、組織に依存するのを辞めないと痛い目に合い、再就職先は無いということになりそうです。
まとめ
組織に所属して働くのは年齢が上がるほど難しいですよね。今後は個人で必要なスキルを取って独立していくスタイルになるように思います。私は今SEとして組織に属していますが、スキルアップを怠ることなく、変化に対応できるようにしていきたいと思います。
何が必要かは見極めていくとして、組織に属しているから安心という根拠のない楽観主義は捨てた方が良いですね。

