サービス残業や残業手当未払いの事件が後を絶ちません。特に今回はセブンイレブンで長期間発生していた残業手当不払いを取り上げたいと思います。
セブンイレブン/永松社長「残業手当の支払い不足は公表すべきだった」(外部サイト)

何が問題なのか
サービス残業があったことはかなり公表されていましたが、今回のセブンイレブンにおける問題は次の2点で今までになく大きな問題だと思います。
- 残業手当ての不足
- 改善命令が出ていたにも関わらず長期間改善されていなかった
- 社長のコメントを見ても経営陣のコンプライアンス遵守意識や危機意識が低い
1点目の残業手当ての不足問題は、業務命令で残業させたにも関わらず、残業手当ての計算式が間違っていて支払う残業手当を少なかったというものです。しかも期間は判明しているだけで2001年10月~2019年11月の18年1か月もの長期間です。
2点目の改善命令にも関わらず改善されていない問題は、問題が発覚した2001年10月に労基署から指摘を受けていたにも関わらず社内には共有されず、改善させていなかったとのこと。労基署の指摘があったということはその前から問題があったはずなので、もっと長期間のはずです。
3点目は公表された情報だけから見ていますが、経営陣のコンプライアンス意識や危機意識が低いように感じます。事象の説明だけで想定される原因をわかろうとしていないようでした。内部統制も言われていましたが、昨今の状況を見ていると現時点でセブンイレブン社は自浄作用は期待できないようです。人は間違いを犯すものとして本気で従業員の労働環境を守る意識が欠如しているようです。
原因は何か
問題は3点ありました。想定される原因も3点あると思います。
- 残業手当の計算式の見直しをしていなかった
- 外部の専門家に残業手当の計算式の確認を依頼しなかった
- 問題を迅速に上層部に報告しなかった
根本原因は今後明確になると思いますが、現時点の情報では上記3点くらいではないでしょうか。
労働者の労働価値を守るために
正当な労働については胸を張って残業代を請求しましょう。上司がダメなら労基署へ駆け込みましょう。
人手不足の時代です。仕事はあると思います。残業が未払いであれば積極的に正すよう声をあげてほしいです。具体的対策についても以下サイトを参考にできるかと思います。
未払い残業代を取り戻せ! あなたにもできる「ブラック企業との戦い方」(外部サイト)
労基で未払い残業代の相談をしたレポート漫画がためになる 「自分で作った出勤簿も場合によっては立派な証拠」(外部サイト)
